忙しいだなんだと言いながら、東京往復の新幹線も含めて、
2週間かけて読みました。
浅田次郎の小説としては、読みにくい所もあり、時間がかかってしまいました。
夏に買っていたのですが、なぜか読みはじめが、入りにくくツンドクになっていました。
尖閣諸島、北方領土問題から、また気になり読み始めたら、
今度は止まらなくなりました。
小説として、面白いのかどうか、或は上手なのかどうかは分かりません。
その辺りは、アマゾンのカスタマーレビューにも皆さん書かれているので、ごらん下さい。
でも、今の日本に生きる、戦争を知らない私たちが、読むべき本だと思いました。
私は、北方領土の事を完全に間違って理解していたようです。
大学生の時、2週間ほど北海道を旅行した事が有りました。
その折、根室のあたり(あまりに遠い記憶で、場所がはっきりしない)で、
観光船のようなものに乗った時、
地元の方が、ここにいると、全然違った見え方がするんだよ、
すぐそこに島がある、そして、ソビエトの船もすぐそこに見える。
と、話しておられたのを思い出しました。
きっと、あのおじさんは、戦争を知っている世代、
どんな思いで、本土から来たなんにも知らない大学生をみていたのでしょうか。
小説の筋としての面白さはありません。
途中で出て来る、ソ連兵の話も、なんかノンフィクションの中に(本自体はフィクションです)
急に、ファンタジーが出て来るような違和感です。
でも、たくさんの登場人物の一人一人の人生に対する誠実さに、
心を打たれました。
今も、どこかで戦争があり、誠実に生きている一人一人が、
命を奪われて行く、許されない事です。
アイヌ語の『カムイ・ウン・クレ』神、我らを造りたもう。
この言葉が後半のキーワードになります。
これだけ誠実に、人生に向かい合う事が出来ているでしょうか。
自分にそれを問わずにはおられませんでした。
この本を読んでみたいと思います。
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